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不動産について死因贈与契約をした場合、贈与者の生前の処分を制限することはできますか?

不動産について死因贈与契約を締結した場合は、当該不動産について不動産登記法第105条第2号に定める「始期付所有権移転仮登記(始期:贈与者の死亡)」をすることができます(『登記研究』352号104 頁・質疑応答)。

この登記を行うことで、死因贈与契約をしたことにより「贈与者の死後、所有権が受贈者に移転すること」が不動産の登記記録上に公示されるため、贈与者の生前処分を制限する効果が期待できます。

なお、始期付所有権移転仮登記を抹消する場合は、原則、贈与者と受贈者が共同して行う必要があるため、贈与者が勝手に抹消することはできません(受贈者側からの単独抹消は認められます)。

死因贈与契約による始期付所有権移転仮登記を申請する場合の必要書類

① 登記原因証明情報(死因贈与契約書)

② 贈与者の印鑑証明書(発行から3か月以内のもの)

(※) 登記識別情報通知(または登記済証)と受贈者の住民票(または戸籍の附票)は不要です。

死因贈与契約書作成時のポイント

⇒死因贈与契約書を公正証書で作成し、死因贈与執行者を定めておく。

贈与者が死亡して死因贈与契約の効力が生じた場合、贈与対象の不動産を、受贈者名義にするためには、原則、以下の(A)または(B)の方法で「始期付所有権移転仮登記の本登記」の登記を申請することになります。

(A)の方法は、死因贈与契約において「死因贈与執行者」が指定されていない場合であり、死因贈与による所有権移転登記の手続きを、相続人全員と共同で行う必要があります。

一方、(B)の方法は、死因贈与執行者と受贈者のみで登記を申請することができ、相続人が関与する必要がありません。

相続人と受贈者の関係が良好な場合は問題ないかもしれませんが、関係性が悪い場合や、相続人の中に意思能力が認められない方などがいると、スムーズに名義を変更することができないリスクがあります。

相続開始後、スムーズに名義の変更ができるようにするためにも、できるだけ死因贈与執行者を契約書で定めておいた方が良いでしょう。

なお、死因贈与執行者を定めた死因贈与契約については、契約書を「公正証書」で作成する形が望ましいですが、それが難しい場合は、贈与者の押印を実印で行い、「贈与者の印鑑証明書」と一緒に保管することが重要です。

実印で押印をしていない場合や、印鑑証明書を紛失してしまった場合は、相続発生後に所有権移転登記(本登記)をするにあたって、相続人全員の承諾書(印鑑証明書付)が必要になってしまいます。

(A)贈与者の相続人全員を義務者・受贈者を権利者として共同で登記を申請

必要書類

① 対象不動産の登記識別情報通知(登記済証)

② 登記原因証明情報

1 .死因贈与契約書

2 .贈与者の死亡が確認できる除籍

③ 贈与者の相続人全員の印鑑証明書(発行から3か月以内のもの)

④ 相続人を特定できる被相続人の出生から死亡までの戸籍(除籍・改製原戸籍)と相続人全員の戸籍

⑤ 受贈者の住民票(または戸籍の附票)

⑥ 贈与者(被相続人)の住民票の除票(または戸籍の附票)

⑦ 対象不動産の最新年度の固定資産評価証明書

(B)死因贈与執行者を義務者・受贈者を権利者として共同で登記を申請

必要書類

① 対象不動産の登記識別情報通知(登記済証)

② 登記原因証明情報

1 .死因贈与契約書(死因贈与執行者の権限証明を兼ねます)

2 .贈与者の死亡が確認できる除籍

3 .贈与者の印鑑証明書または贈与者の相続人を特定できる被相続人の出生から死亡までの戸籍(除籍・改製原戸籍)、相続人全員の戸籍及び承諾書(印鑑証明書付)。

  (※)公正証書の場合は不要です。

③ 死因贈与執行者の印鑑証明書(発行から3か月以内のもの)

④ 受贈者の住民票(または戸籍の附票)

⑤ 贈与者(被相続人)の住民票の除票(または戸籍の附票)

⑥ 対象不動産の最新年度の固定資産評価証明書

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