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親族が後見人等になる場合、注意することはありますか?

親族が後見人等に選任される場合には、本人の財産規模、今後予想される手続きなどによって、一定の条件がつく場合があります。

ケースによって異なりますが、一般的に、以下の条件が考えられます。

① 後見人等を監督するために、第三者の後見監督人が選任される。

② 後見制度支援信託、後見制度支援預金を利用し、本人の預貯金等の大部分を通常の管理財産と切り離す(ただし、後見類型に限る)。

③ 親族以外にも第三者の後見人等を選任する(複数後見)。

①の条件が付された場合、親族が後見人等になって後見業務を行うにあたり、家庭裁判所の監督だけではなく、司法書士や弁護士といった第三者後見監督人による監督を受けることになり、年に数回の面談、財産状況や収支等の後見等事務報告をする必要があります。

また、一定の行為を行う場合には「監督人の同意」も必要になります。

なお、監督人に対しては、家庭裁判所が決定した報酬を、本人の財産から支払うことになります。

②の条件が付された場合、後見開始と同時に、原則として第三者後見人が、財産調査、収支調査を行った上で、一定金額を金融機関に預金または信託する手続きを行います。

この預金または信託財産は、通常の管理財産とは切り離され、家庭裁判所の指示がなければ引き出すことができなくなります。

そしてこの手続きが完了すると、原則、第三者後見人は辞任をして、その後の後見業務を親族後見人が行っていくことになります。

③の条件が付された場合、第三者後見人等が親族と共に後見人等に選任された上で、共同で後見業務を行っていくことになります。

ケースによっては、特定の手続き(遺産分割等)が終わった時点で第三者後見人が辞任する場合もありますし、事務分掌(じむぶんしょう)といって、財産管理を第三者後見人、身上監護は親族後見人といった具合に権限を分けて後見を行う場合もあります。

なお、このような条件が付されるのは「財産額が多い」、「財産内容が多岐にわたる」、「収支が複雑」、「複雑な手続き(遺産分割・不動産売却等)を控えている」などの理由が考えられます。

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