株式の調査方法とポイント
被相続人が証券会社で口座を開設して株式を運用していた場合、通常のケースであれば、定期的に証券会社から「取引残高報告書」や「保有有価証券残高報告書」などの書類が送られてきます。
これらの書類が確認できた場合は、郵送元の証券会社に対して「残高証明書」の発行請求をして、保有銘柄や保有株数を確認します。なお、被相続人が、相続開始の何年か前に住所を変更している場合は、預貯金の調査と同様に、現住所と旧住所のいずれの住所でも照会をかけたほうがよいでしょう。
取引をしていた証券会社が不明な場合は、株式会社証券保管振替機構（通称「ほふり」と呼ばれる）に対して「登録済加入者情報の開示請求」という手続きを行うことで、被相続人名義の口座がある証券会社や信託銀行等の情報が確認できます。
なお、2009年1月5日からの株券電子化の際に移行の手続きをしなかった株式（いわゆるタンス株）は、証券会社が発行する「取引残高報告書」などからは判明しません。
この場合、前述の「登録済加入者情報の開示請求」を行い、特別口座を管理している信託銀行等を特定した上で、その信託銀行等に「残高証明書」を請求することになります。
また、上場会社ではない会社の株式の場合は、株主の情報（保有株式数など）は、その会社のみが把握しているケースが多いため、直接問い合わせをして確認をする必要があります。
証券会社への残高証明書・取引履歴の請求方法
残高証明書・取引履歴の請求手続きの一般的な必要書類等
①発行請求書 ※証券会社によって様式が異なる
②被相続人の死亡が確認できる戸籍（除籍）
③請求者が相続人であることが確認できる戸籍
④請求者の印鑑証明書
⑤請求者の実印
⑥請求者の本人確認資料（運転免許証・マイナンバーカードなど）
⑦発行手数料 ※証券会社によって金額が異なる
➡ 請求した証明書は、通常、数週間程度で郵送で届く
「登録済加入者情報の開示請求」の手続きの流れと必要書類
(手続きの流れ)
必要書類の用意 ➡ 必要書類の郵送 ➡ 開示結果の受取
※郵送先は証券保管振替機構のHPに記載
（必要書類）
①開示請求書（証券保管振替機構のHPからダウンロード可）
②請求者の本人確認資料（運転免許証・マイナンバーカードなど）
③相続人と被相続人の関係を示す戸籍等
④被相続人の住民票の除票等（調査対象の住所が記載されているもの）
※①以外はすべてコピーを郵送する必要がある（原本不可）
※費用は1件6,050円（税込）で、開示結果が代引きで郵送されるため、受取時に支払う
※法務局発行の「法定相続情報一覧図」（コピー可）を提出した場合は、1,100円（税込）の割引がある
