「遺産の相続手続きができる人」と「遺産の相続手続きの期限」
遺産の相続手続きは、遺言で遺言執行者が定められている場合を除き、遺産分割協議でその遺産を取得した人または法定相続人が共同で行います(遺産分割協議で相続人全員を代表して相続手続きを行う相続人を定め、その相続人が単独で相続手続きを行う方法もある)。
また、相続人のうちの一部相続人の居住地が遠方であるケースや、入院やケガをしていて外出や手続きが難しいというケースでは、相続人全員から司法書士などの専門家に依頼して相続手続き全般を代理してもらうこともできます。
預貯金・株式などの金融資産の相続手続きは、相続開始後にできるだけ早めに手続きをするのが望ましいですが、特段期限はありません。
そのため、手続きをするタイミングは自由です。ただし、株式の「未受領配当金」の時効が10年であり、それより短い期限(3年など)を設けている会社もありますので注意が必要です。
一方、不動産については、2024年4月1日から相続登記の義務化がスタートしたため、相続登記の申請について法律上の期限が設定されています。
前述のとおり、預貯金や株式の相続手続きについては、特段期限が設定されていませんが、相続手続きを怠っているうちに当初の相続人にさらに相続が発生し“ネズミ算式”に相続人の数が増えて、相続手続きが煩雑化するリスクもあります。
ですから、各家庭の事情にもよりますが、相続が発生した場合の遺産の相続手続きについては、相続開始から1年以内を目安に行うことをおすすめします。
遺産の相続手続きができる人
①遺言で遺言執行者が定められている場合は遺言執行者
②対象の遺産を取得した相続人または法定相続人全員
(例外)
①遺産分割協議で代表相続人と定められた相続人
②法定相続人全員から委任を受けた専門家