法定相続人以外の個人や団体に遺産を承継させることはできる
遺言では、法定相続人以外の第三者や、公益法人などに遺産を遺贈することが可能です。
例えば、法定相続人ではない長男の妻による献身的な介護への感謝として「長男の妻〇〇にすべての財産を遺贈する」という内容の遺言や、生前お世話になった団体などに対して「すべての財産を売却換価して公益社団法人◯◯に遺贈する」といった遺言も法律上有効です。
近年は、遺言によって遺産の全部または一部を、公益法人をはじめ遺言者が支援したい団体に寄付をする「遺贈寄付」を行う人が増えています
ただし、上記の遺言のように法定相続人以外に大部分の遺産が遺贈されたケースにおいて、法定相続人に遺留分がある場合は、相続人から遺留分侵害額請求がなされると、遺留分侵害額相当の金銭を相続人に引き渡さなければいけないことになります
また、遺言の内容に納得できない場合で、かつ、遺言の効力に争いがある場合は、法定相続人は、裁判所に「遺言無効確認請求訴訟」を提起できます
なお、被相続人の一親等の血族および配偶者以外の人が相続等により財産を取得した場合には、その人の相続税額が2割加算されるため注意が必要です。
また、いわゆる「孫養子」等、被相続人の直系卑属が養子になっている場合には、その者も2割加算の対象となります。