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相続後した建物を解体して「建物滅失登記」をする場合の3つのポイント

建物を解体した場合に行う「建物滅失登記」のご相談は、当窓口にも多く寄せられます。

「建物滅失登記」については、

「建物を相続したのですが、老朽化が激しいです。解体して新しく建物を建てたいのですが「建物滅失登記」はどうすればできますか?」

といったご相談や

「古い建物とその敷地を相続して売却することになったのですが、その前提として建物の解体と「建物滅失登記」を求められました。どう対応したら良いですか?」

といったご相談など、相続のご相談と同時にお問い合わせいただくケースが多いです。

今回は、この「建物滅失登記」について、大切なポイントを押さえながら説明を致します。

まず 最初に、そもそも「建物滅失登記」がどういったものかを確認しておきましょう。

建物滅失登記とは

建物滅失登記とは、建物を解体した場合や、焼失等によって無くなってしまった場合に、国に登録している「その建物の登記簿を閉鎖する」手続きです。(登記簿を抹消するようなイメージです。)

建物滅失登記をしない限り、現実には建物が存在していない状況でも、登記簿上には建物が残り続けることになります。(そういった建物のことを幽霊物件と言ったりもします。)

登記簿に残ったままであることを失念していると、敷地を売却をする場合や金融機関から融資を受ける場合などに、急いで建物滅失登記をしなければいけないケースもあります。

ちなみに、建物滅失登記は、法律上、「建物を解体してから1か月以内に登記をする義務」があり、それに違反した場合は過料(罰金)が科せられると規定されています。

ただ、実際には、登記をしなかったことで過料が科せられたというケースは聞いたことがありません。(おそらく過料を科したケースは無いのでしょう。)

とはいえ、前述のとおり、急遽手続きをしなければいけないことになるケースもあります。

ですから、建物を相続して解体した場合などは、すみやかに「建物滅失登記」をすることをおススメします。

「建物滅失登記」のポイント

では、実際に「建物滅失登記」をするために抑えておくべきポイントを確認しておきましょう。

ポイント① 必要書類のチェック

建物滅失登記には、以下の書類が必要になります。

登記簿の内容や申請者によって必要な書類は異なりますので、ご不安な方は、土地家屋調査士にご相談をされるのが良いと思います。

1.解体工事業者の解体証明書又は滅失証明書

※証明書には工事業者の実印が押印されている必要あります。

通常一緒に渡される2の印鑑証明書と印影が同じか確認しましょう。

2.解体工事業者の印鑑証明書

※有効期間はありません。

3.所有者の住所が登記簿上の住所から変更している場合は、そのつながりを証明する住民票または戸籍の附票

※建物の所有者の登記簿上の住所が、現在の住所と異なる場合に必要です。

4.所有者が亡くなられている場合は、その方の除籍謄本と相続人の戸籍謄本

※相続した建物の滅失登記を相続人から申請する場合に必要です。

ポイント②  手続きの期間と費用

①の必要書類がそろった段階で、登記申請書を作成すれば、建物滅失登記を法務局に申請することができます。

建物滅失登記は、その建物を管轄する法務局に申請をします。

それ以外の法務局に申請をしても受け付けてもらえないので、気を付けましょう。

また、ご自身で登記を申請することも可能ですが、お時間がない方や緊急の場合は、土地家屋調査士に依頼をすることも検討しましょう。

当窓口にも、経験豊富な土地家屋調査士が在籍しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

手続に要する期間ですが、法務局に登記を申請してから、通常、1週間から10日程度で完了します。

なお、法務局によって処理のスピードが違いますので、正確な処理時間をお知りになりたい場合は、登記の申請時に法務局に確認しましょう。

次に費用ですが、ご自身でやる場合は、実費(交通費等)以外に掛かる費用はありません。

ご自身でやる時間がないなどの事情により、土地家屋調査士に依頼をした場合は、5万円程度の費用がかるケースが一般的です。

当窓口のパートナー土地家屋調査士の場合も、9割以上の案件を、5万円程度の報酬で対応しております。

ポイント③ 相続した建物の滅失登記は、相続人の1人から申請できます。

相続した建物が解体された場合において、「相続登記をしない限り建物滅失登記ができないのでは?」というご相談を良くお受けします。

結論から言えば、建物について相続登記は必要ありません

解体がなされた建物の滅失登記は、相続登記を経ることなく、相続人から直接申請できます。

しかも、相続人が複数いる場合であっても、1人からの申請が可能です。

つまり、遠方に離れている相続人がいる場合や、連絡が取れない相続人がいる場合でも建物滅失登記はできるということです。

解体前のポイントもチェック

最後に一つだけ、建物滅失登記の前提となる「解体」にあたって注意すべきポイントを、確認しておきましょう。

それは、建物の登記簿に「金融機関などの抵当権」が設定されている場合です。

この場合は、建物の解体にあたって金融機関などへ事前の報告をした方が良いでしょう。

建物が解体されてしまうと、建物に設定された抵当権は、法律上消滅してしまいます。

法律上はそれでよいのかも知れませんが、金融機関との契約内容によっては、解体前に報告する義務が課せられている場合もあります。

契約違反による余計なトラブルを生じさせない為にも、解体前の事前連絡は必ず行いましょう。

いかがでしたでしょうか。

建物滅失登記について、基本的なことはご理解いただけたのではないでしょうか。

相続の発生後に限らず、建物滅失登記のことで一度相談をしてみたいとお考えの方は、当窓口にいつでもお問い合わせください。

当窓口には、パートナー土地家屋調査士をはじめ、不動産に関する様々な専門家が在籍しておりますので、ご相談の内容とご希望に合わせて柔軟に対応させていただきます。

私たちのサービスが、お役に立ちますように。

当記事は、記事執筆時点で公となっている情報に基づいて作成しています。

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