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相続発生後に不動産の名義変更(相続登記)をした方が良い3つの理由

亡くなった方が不動産を所有していた場合、通常は、その不動産は「相続財産(遺産)」となるため、相続人全員または特定の相続人が相続することになります。

不動産を所有している方の大部分は、法務局に備え付けてある「登記簿謄本(登記事項証明書)」に所有者として名前が記録(登記)されています。
ですから、不動産を所有していた人が亡くなって、その不動産を相続する人が決まった場合、法務局で名義変更の登記をすることができます。

これを一般的に「相続登記」と言います。

意外かもしれませんが、この相続登記は「義務」ではありません。
そして手続きの「期限」もありません。

また、不動産の評価額にもよりますが、相続登記には「登録免許税」という税金がかかりますし、司法書士などの専門家に手続きの代行を依頼すると、その費用も掛かかってしまいます。

これだけを聞くと、相続人の全員の話し合いで誰が相続するかを決めていれば、わざわざお金をかけて相続登記をする必要が無いようにも思えます。

しかし、そうとは言い切れません。

相続登記は義務ではありませんが、費用をかけてでも早めにしておいた方が良い理由がいくつかあります。

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不動産の名義変更(相続登記)をした方が良い「3つの」理由

1.今の段階では「まとまっている話」が白紙になる可能性がある。

相続財産となった不動産は、遺言がない場合、法律で定められた「法定相続分」または相続人全員による「遺産分割協議」に従って相続する人が決まります。

実際には、法定相続分ではなく、相続人全員での話合い(遺産分割協議)を行い、特定の方が単独で相続するケースが非常に多いです。

この遺産分割協議ですが、いくら口頭や暗黙の了解で話がまとまっていたとしても、その内容を証明する「遺産分割協議書」を作っておかないと、後日、協議の内容を実現できなくなる可能性があります。

例えば、相続人の一人が「遺産分割協議書」を作る前に亡くなってしまった場合、手続きのために「遺産分割協議書」が必要になったとしても、亡くなった方を除いて作成することは認められていません。

この場合、亡くなった方の『相続人全員』の同意(実印での押印)が必要になってしまいます。

その相続人の方々が、当初の話し合いを理解し、協力してくれれば問題は生じないのですが、残念なことに、関係性が悪く同意をしてくれないことや、場合によっては金銭(ハンコ代)を要求されてしまうケースもあります。

また、協議が成立した当時は裕福であったため「何もいらないよ」と言っていた相続人が、その後、金銭的に困窮し「遺産分割協議書」を作っていないことを強みに、話をひっくり返してくるケースもあります。

一度は財産を相続できる状況であったとしても、その証明となる遺産分割協議書がなく、話を振出しに戻されてしまっては、どうすることもできません。

ちなみに、作成していた遺産分割協議書を紛失してしまった場合、協議書のコピーが残っていたとしても、法務局は名義変更の登記をしてくれません。

この場合、改めて遺産分割協議書を作成し直すことになります。

そして、作り直す際は、前に挙げたケースの様に、当時協議をした相続人の誰かが亡くなっていれば、その方の相続人全員の同意が必要になってしまいます。

2.売却するには、その前提として相続登記をする必要がある。

相続をした不動産が、亡くなられた方と共有していた自宅などの場合、ご自身の名義も入っているため、相続登記をしないまま放置してしまう方が多くいらっしゃいます。

しかし、いくらご自身の名義が入っていたとしても、売却することになった場合は、その前提として、必ず相続登記をしなければなりません。

当窓口へのご依頼においても、売却までに相続登記を終えなければいけないため、緊急で対応したケースがありました。

「売る予定はないから大丈夫!」と思っていても、その後のライフスタイルや生活環境の変化で、不動産を買い替えることや現金化したいと思うことがあるかもしれません。

相続登記することは、ご自身の不動産である証明になることはもちろん、将来のライフスタイルの変化にいつでも対応できる「財産の管理方法」とも言えます。

3.思わぬ差押えから財産が守れない可能性がある。

「相続人のうち●●が不動産を一人で相続する」という遺産分割協議が成立すると、その方は単独で不動産を相続できることになります。

しかし、この遺産分割協議で決まった内容は、例え遺産分割協議書を作成していたとしても、相続登記をしない限り「第三者(相続人以外)」に主張することができません。

例えば、相続人の中に多額の借金を抱えた人がいて返済が滞っている場合、お金を貸している債権者が、知らないうちに裁判所に手続きを申立て、「法定相続分」で相続登記を行い、借金のある相続人の持分を差押えてしまうことがあります。

登記は、第三者との関係では、原則「早い者勝ち」です。

ですから、こうなってしまうと、いくら借金のない相続人が単独で相続するという話がついていて「遺産分割協議書」が作成されていたとしても、差押えの登記を外してもらうことはできません。

以上のとおり、相続による不動産の名義変更(相続登記)は、ある程度費用は掛かってしまいますが、しないことで思わぬトラブルや過度な負担が生じることがあります。

大切な財産を上手に承継するためにも「相続登記」をしっかりして、ご自身の財産と権利をきちんと守ることをおススメします。

当窓口では、相続発生後の相続登記はもちろん、遺産分割協議のサポートや相続不動産の売却サポートなど幅広くサービスを提供しております。

「こんなこと聞いて良いのだろうか?」ということも、どうぞお気軽にご相談ください。

また、当窓口のサービスは、全国対応をしておりますので、どの地域からのご相談でもお受け致します。

当記事は、記事執筆時点で公となっている情報に基づいて作成しています。

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